身長の伸び悩みを感じたら

親にとって子供の成長は、とても嬉しいものですよね。

生まれたときはこんなに小さな赤ちゃんだった我が子が、みるみるうちに成長して、「いつかは自分の身長を超える日が来るのかな」と、嬉しい反面、ちょっと寂しい気持ちにもなると思います。

健康にすくすくと育つということは親の願いでもあり、また、子供自身にとっても、大きくなるのはとても嬉しいことであり、切なる希望でもあるでしょう。








しかしながら、何もしなくても子供が健康で順調に成長するということは、100パーセント保障されたものではありません。

現代の日本では、子供が不摂生をしないように親がきちんと気をつけていれば、成長を著しく妨げるほど生活環境が乱れるということは、あまり考えられません。

子供の成長のためには、栄養のある食事に睡眠、運動など、整った生活環境が必要です。

ですが、皆が同様に成長するわけではありません。

どんなに理想的な生活を送っていても、子供が順調に成長しなかったり、身長が伸びないといったケースというのもあるのです。








「低身長症」という言葉をご存知ですか?低身長とはまさに、身長が伸びずに極めて低い状態になってしまうことをいいます。

医学的には、「同性、同年齢、同月齢の平均身長より、−2標準偏差以下の場合」を、「低身長症」と定義します。

例えば、同じ誕生日の子供100人が背の順に並んだとして、前から2〜3番目くらいまでの子供が「低身長症」に該当します。

通常のクラスでは飛びぬけて小さい状態で、2学年下の子供をも下回るくらいの身長です。








これを知って「うちの子は小柄だけど、周りと比べて目立つほど小さいわけではないから大丈夫!」と安心された方もいるでしょう。

たしかに身長の悩みというものは、取り越し苦労であることも多いものです。

今は小さくても、これから急激に成長するかもしれませんし、成長には一人一人それぞれのペースがあるので、焦る必要もありません。

小学校までは一番前だった子が、中学生や高校生になって突然伸び始め、気がつけばクラスでも背の高い方になっていたなんて話も、よく聞きます。








とは言え、極端に小さいわけではないからと安心し切ってはいけません。

身長が低めだと感じられたときは既に、「低身長症」の兆候があるかもしれません。

周囲と比べてそれほどの差がないように見受けられても、身長の伸び率が悪い、前回測ったときからほとんど伸びていないなどの状態が続く場合には、医学的にも認められる「低身長症」である可能性が考えられます。



実は医学的な「低身長症」の定義には、さきほど紹介した「−2標準偏差以下」のほかに、もうひとつあります。

それは、「年間の身長の伸びが平均値の80%以下という状態が続く場合」です。

いまは正常範囲内に収まっていても、身長の伸び率が著しく落ちている場合には、数年後には平均身長の−2偏差以下になってしまうかもしれないのです。








お子さんの身長の伸びが悪いと感じたら、低身長症の可能性も視野に入れ、できるだけ早期対応を心がける必要があります。

また、低身長症に該当する心配がなくても、お子さん自身にとって、背が低いとか、身長が伸びないということが、精神的苦痛になってしまうこともありま。

そういった時にはやはり、医師に相談するなど、何らかのアクションを起こすことが望ましいでしょう。



最終身長の平均年齢は、男子が18〜19歳頃、女子では15〜16歳頃に、成長が止まってしまいます。

身長には個人差もありますが、身長をぐんぐん伸ばせる可能性があるのは、人生のうちのたったの20年弱です。

なので、対策が早ほど結果を生みやすいのです。








あまり神経質になりすぎるのはいけませんが、身長が伸び悩む現象の裏に、成長ホルモンの分泌不全や、時には脳腫瘍などのおそろしい病気が隠れている場合もあります。

お子さんが将来、身長のことで悩まなくて済むように、これらの危険信号を見逃さないようにしてあげて欲しいと思います。

今仮に、お子さんの身長が高い方であっても、常日頃から身長の伸び方(伸び率)には注意をはらって観察するようにしてください。