思春期早発症はどうして起きる?

小学生の時は背が高くて身体も大きかった子が、いつの間にか周囲の子供たちに追い抜かれて、中学生や高校生になる頃には一番小柄な体型になっていた、なんていう話を聞いたことはありませんか?またその逆もあります。

幼い頃は小柄だった子が、ある時期から急に成長しはじめて、みるみるうちに背が高くるというケースです。








子供が成長する過程をよく観察していると、小柄な子が小柄なまま成長したり、長身の子が長身のまま成長したりすることよりも、予測していなかった結末になることの方が多いような気がします。

子供の成長をさらに突き詰めて観察すると、身体が大きいだけでなく、発育が早く第二次性徴が早く現れる子、つまり思春期を早く迎える子ほど、成長が早く止まってしまいます。

そのため、最終的に到達する身長(成長が止まった時点での身長、最終身長)が低くなることが多いのです。








これは、思春期と身長というのは非常に深い関係にあるからなのです。

身長が伸びるとは骨が伸びるということで、骨が成熟して成長が止まってしまうということは、すなわち身長の伸びが止まってしまうということになるのです。

思春期が訪れると、骨の成長が一気に加速して、終息へと向かいます。








骨は、骨の両端にある「骨端線」という部分が膨張することで伸びていきます。

骨端線は柔らかい組織(骨端軟骨)で構成されており、そこで軟骨芽細胞という細胞が増殖・成長することで、膨張することができるのです。

ところが、骨が成熟して大人の骨になると、この「骨端線」は普通の堅い骨へと変化してしまいます。

骨端線が閉じると膨張することができなくなるので、骨は伸びなくなります。

これを「骨端線が閉じる」と言います。








身長が伸びるタイミングには、思春期を迎えた途端に急激に伸び始めることがよくあります。

経験がある方も多いのではないでしょうか?その現象こそがまさに「骨の成長が加速した」ということなのです。

その数年後には骨の成長は終わり、身長が伸びなくなったのではないかと思います。

実は思春期の訪れというのは、骨の成長がラストスパートをかける合図であり、思春期が来たら数年後には身長が伸びなくなると理解して良いでしょう。








幼い頃に身体が大きく発育の早い子は、必然的に思春期を早くに迎えるため、骨の成熟が早まり、成長が早い時期に止まってしまいます。

よって、思春期があまり早く訪れるのは、最終身長が高くならないので、あまり良いこととは言えません。

そうは言っても身体の成長には個人差があるものなので、思春期の訪れを簡単にコントロールできるものではありません。

ところが、中には個人差という一言では片付けることができないケースもあります。

それはどういったケースなのでしょうか?








男性ホルモンや女性ホルモンの分泌による二次性徴の成熟が、何らかの理由で早い年齢で起こってしまう、という疾患をご存知ですか?これは「思春期早発症」というものです。

通常、日本人の子供が思春期を迎える年齢は、男子が11歳頃、女子が10歳頃というのが平均的とされています。

それより早い年齢で二次性徴が現れたり、身体の成長が急激に加速した場合には、思春期早発症の可能性を疑う必要があります。








いわゆる「低身長症」を引き起こす原因には、成長ホルモンの分泌不全や染色体の異常、腎臓や骨の疾患など、様々なものがありますが、思春期早発症もそのひとつです。

思春期早発症を治療せず放置していると、骨の成熟が早まり、早い段階で骨端線が閉じてしまいます。

そのため、最終的にかなりの低身長のまま成長が止まってしまうこともあります。

よって、思春期早発症は、特に早期の発見と治療開始が望ましいとされているのです。








両親や周囲の大人は、お子さんが思春期に入る時期に注意をしながら、身体の成長を観察してあげて欲しいと思います。

思春期を迎える時期に個人差があるのは当然なのですが、お子さんの身体の成長が「通常より早いのでは?」と感じる場合には、なるべく早めに医師の診察を受けることをお勧めします。

思春期早発症と診断された場合でも早い段階であれば、通常の成長スピードに調整することは可能なのです。