成長線と成長期

みなさんは、ご自身の身長がいちばんよく伸びていた時期というのを覚えていますか?よく「成長期」などという言われ方をすることがありますよね。

身長の伸びが特に著しい時期を成長期と呼ぶのであれば、私の成長期は中学生の時でした。

私の周りでも、中学生頃に急激に身長が伸びた友人が多かったように思います。

しかし、その時期が過ぎてしまうと、ピタリと身長が伸びなくなってしまいました。

実際に高校生になってからは、たぶん1cmも伸びなかったと記憶しています。








身長が大幅に伸びる時期というと、まずは生まれてすぐの乳児期があります。

出生時の身長は、平均で大体50cm前後ですが、1歳になる頃には多くの赤ちゃんが70cmを超えてきます。

1年で20cmも身長が伸びるのは、乳児期以外にはありません。



この乳児期は例外として、人間の身長が大幅に伸びる時期というのは、一般的に2回あると言われています。

1度目は小学生の中学年くらいの時期で、2回目は思春期を迎えた後の数年間です。

私が自覚していたのは、どうやらこの2回目の成長期だったようです。








一般的には、思春期を迎えた後の数年間を「成長期」と呼ぶことが多いと思います。

この時期の成長は本当に目を見張るものがあり、これまで小柄だった子が急激に伸びて周囲の子を追い抜いたりすることも珍しくありません。



何故このような急激な成長が起こるかというと、人は思春期を迎えると、一気に骨の成長が加速するからです。

骨がこれまでにない速度で成長し始めるため、身長が急激に伸び始めます。

これを、「成長スパート」と呼んでいます。








成長スパートの間、骨はどんどん成長して、成熟へと向かいます。

そして、骨が成熟しきって大人の骨になると、骨がそれ以上伸びることができなくなり、身長の伸びがぴたりと止まります。

急激に伸びた時期のあと、ほとんど伸びなくなるという現象は、骨が成熟することで起こるのです。

骨の成熟、それは、事実上の成長期の終わりを意味します。








では、子供の骨と大人の骨というのは、一体何が違うのでしょうか?まだ成長できるか、もう成長できないか、その二つを分けるポイントとは何なのでしょうか?それは、「成長線」という組織の存在です。

成長線とは、子供の骨の両端、関節の近くにある組織で、「骨端線」と呼ばれることもあります。



この部分は、柔らかい軟骨(骨端軟骨)で構成されており、ここが膨張することで骨が伸び、身長が伸びます。

しかし、骨が成熟して大人の骨になると、成長線の軟骨組織は普通の硬い骨へと変化してしまい、成長線は消滅します。

こうして、骨はもう伸びることができなくなります。








さて、世間では身長の伸びが特に著しい時期を成長期と呼ぶことが多いですが、私はこの「成長線」が存在して、骨が伸びる可能性がある間は、ずっと成長期だと考えています。

確かに、伸びやすい年齢や時期というのはあります。

しかし、その時期がいつ訪れるかというのは、睡眠や食事、運動などの生活環境によって左右されるものです。

それならば、生活環境などの諸条件を整えることによって、意図的に「よく伸びる時期」を作り出すことができるはずです。








身長の伸びを後押しするためには、骨が伸びる仕組みを知り骨の成長に良い生活環境を整えるのが良いでしょう。

思春期の成長スパートが起こる前のお子さんであれば、まだ時間もたくさんありますから、生活環境を整えるだけでも十分効果的だと思います。

ただし、周囲の子より極端に身長が低いとか、伸び率が悪いような場合には、低身長症の可能性も考えられるので、小児科を受診するようにしてください。



成長スパートが始まったお子さんの場合は、あと数年後には成長線がなくなって、成長期が終わってしまう可能性が高いので、より積極的に身長を伸ばすための工夫や努力をするのが良いでしょう。